2018.07.16

福田正博はロシアW杯で確信!
「ベスト8進出」へ日本に必要なもの

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by JMPA

 香川のパフォーマンスは、コロンビア戦ではそれほどよくなかったが、セネガル戦でギアが上がり、決勝トーナメントのベルギー戦では抜群のパフォーマンスを発揮して強烈な存在感を放った。ようやく本来の香川の実力を日本代表でも見られた気がする。

 セネガル戦は今大会の日本代表が戦った4試合のうち、ベストゲームだった。アンラッキーなゴールで勝ち点3を逃してしまったが、日本代表が勝利していても不思議ではないほど、出来はよかった。セネガルに2度も先行されながら、2度とも同点に追いついたことは評価できる。ピッチ上の選手のみならず、相手を分析するスカウティングスタッフのすばらしい仕事があったからこその引き分けだった。

 日本代表のスカウティングチームがセネガルを分析し、選手たちが彼らの長所を消し、弱点を的確に突いた。これこそが、西野監督に交代したメリットのひとつと言ってもいいだろう。相手情報を収集して分析する力は、日本は高いレベルにある。だが、ヴァヒド・ハリルホジッチ前監督は分析班のレポートをほとんど受けつけなかったそうだ。

 それに対して、西野監督は必要な情報を取捨選択しながら、スタッフの高い分析力を最大限に活用した。だからこそ、準備期間が短いなかでも結果を残すことができたのだと思う。

 また、今回のW杯でブレイクした選手といえば、柴崎岳が真っ先に浮かぶ。堂々たるプレーぶりだった。攻撃面では精度の高いパスから何度となくチャンスをつくり出し、守備面でも当たり負けしない強さがあった。スペインリーグで揉まれたことが成長につながったことは間違いない。今後も日本代表の中盤で主軸となっていくはずだ。

 ただ、グループリーグ3試合と決勝トーナメント1試合の計4試合すべてに先発した柴崎は、ベルギー戦のコンディションが悪かった。ポーランド戦で休むことができていたら、ベルギー戦の日本代表の戦い方も違ったものになっていたかもしれない。それだけにセネガル戦で勝ち点3を拾えなかったことが、決勝トーナメントにも影響したといえる。

 それでも、決勝トーナメントに向けて余力を残せたという点で、同じベスト16という結果であっても、過去2回とは大きな違いがあった。

 初めてベスト16に進んだのは日韓大会の2002年W杯。グループリーグ突破が大目標で、そこに向けてアクセル全開で飛ばしたため、決勝トーナメントは燃え尽きた感があった。2010年南アフリカ大会はグループリーグ3戦すべてをベストメンバーで臨んでグループリーグを突破したが、決勝トーナメントのパラグアイ戦は余力が残っていない疲弊した状態でPK戦の末に負けた。