2018.07.14

賛否あったポーランド戦。
「議論が起こったことに大きな意義があった」

  • photo by JMPA

倉敷 記者席なら会場のブーイングもずいぶんと聞こえたでしょうね。

中山 すごかったですね。でも、それは当然だと思います。みんなチケット代に高いお金を払っているわけですし、遠方から来たファンも多いわけですから。日本から来たサポーターも「せっかく来たのにこんな試合は見たくなかった」と不満を言っていた人もたくさんいました。でも、それはサッカーの一面でもあるので、当然そういう意見もあって然るべきですし、僕自身もできればああいうサッカーは見たくなかったというのが本音ですね。

 これは僕個人の好みの問題ですけど、確かに勝敗は大事だと思いますが、選ばれた一流のプロ選手がプレーするワールドカップは、チケット代も高いし、放映権料も莫大ですし、エンターテインメントとしても世界指折りのイベントなわけです。であるならば、「観る人を喜ばせてなんぼ」という一面もあって、観る人はつまらない試合に対して素直に感情を表すのが当然だと思います。

 だから、あれを認める人も認めない人もいていいと思いますね。あくまでもサッカーに対する考え方、好みの問題だと思いますし、少なくともそういった議論が日本国内で起こったという意味で、あのシーンは大きな意義があったと感じています。

倉敷 小澤さんはいかがですか。

小澤 あの時間帯はポーランドにカウンターから決定機を作られていた時間帯ですので、トレードオフで他力のオプションに賭けたこと自体は理解できます。ただ、その状況をみすみす作ったのは西野監督であり起用された選手たちですので、「回避できることはできた」と言うこともできます。

 個人的には良いか悪いかの議論ではなく、なぜその選択をしなければいけない状況に追い込まれたのかを議論すべきだと思っていますし、ある意味で自作自演ですから、そこはきちんと検証しなければいけないでしょう。

倉敷 翌日に世界中から批判を受けたという報道は、気にしないでいいと思います。当事者といえる僕らは、世間の目を気にしてしまいがちですが、思春期にできたニキビをみんなが見ていると意識しすぎるような錯覚です。どんな強豪でも、似た状況が訪れれば同じ悩みを抱えるだけです。

 大事なことは、僕らがどんなサッカーを見たいのか? どんな戦い方を自分たちの代表に期待しているのかを考えるまたとない機会だったということでしょう。ルールに則っていながら、その勝ち方を潔いと思わない感情をどこに向けるかがはっきりしました。世界に向け、日本はどういうチームなのかという流通イメージをつくらざるを得なくなったことが、この試合の数少ない収穫ですね。

 日本が持つべき流通イメージはもうひとつあって、ポッド4でありながら、2試合でイエローカードがこれほど少ないチームであったことを誇っていいと思います。これは世界と互角に戦えるチームを作りながら、可能な限り同時に追求したいスタイルだと思います。

 中山さんはミックスゾーンで取材をされたと思いますが、試合後の選手たちの様子はどうでしたか?