2018.07.14

賛否あったポーランド戦。
「議論が起こったことに大きな意義があった」

  • photo by JMPA

倉敷 では、議論を呼んだ試合終盤です。負けている日本がフェアプレーポイントで勝ち上がろうと、攻めずに後方で延々とボール回しを続けたことが批判されました。ポーランドと思惑が一致した結果なのですが、グループリーグを突破するために痛みを伴った終わり方を選んでしまったことは間違いありません。中山さんは現地で観戦されていましたね。

中山 まず状況を整理すると、他会場のセネガル対コロンビアがまだ0-0だった状況で、日本はポーランドに先制を許しました。当然、そのままだと敗退が決定してしまうので、西野監督は焦って乾を投入して、攻撃のギアを上げにかかりました。

 僕は記者席で他会場の動向も確認していたのですが、そんな中でコロンビアが先制点を奪ったわけです。0-0で終わればセネガルとコロンビアが勝ち上がれるので、その試合にはいわゆるお互い”忖度”がなかったということでしょう。

 一方、それと同じ時間帯で、日本は大ピンチを迎えました。74分にカウンターからロベルト・レヴァドフスキが決定機を迎え、シュートをバーの上に外してしまったシーンです。その後だったと記憶しますが、ピッチサイドでアップしていた長谷部にベンチから他会場の情報が伝わって、相手のコーナーキックの時に長谷部がゴール付近まで行って、長友にその情報を伝えた場面がありました。

 試合後に長谷部本人に確認したところ、やはり他会場の結果とイエローカードに気をつけるように、長友を通してピッチの選手に伝えてもらったそうです。

 ただ、ベンチの西野監督はレヴァンドフスキのシュートシーンを見たためか、不安が頭をよぎったのだと思います。結局、西野監督は82分に長谷部を伝令役としてピッチに送り出し、議論を呼んだシーンを迎えることになったというのが、全体の流れですね。

倉敷 そのあたりをもう少し分析していただけますか。

中山 まず、あそこまでの状況を作った原因は西野監督本人にあるということ。スタメン選びもそうですし、もっと言えば、チームづくりの段階で具体的な戦術を植え付けていなかったことのツケを払わされたと思います。

 ポーランドはもう追加点を必要としていないのに、あそこまで極端なことをしなければゲームを終わらせることさえできなかったということが最大の問題でした。結局、選手任せでチームを作ってしまったから、あそこで不安になってしまい、独断によってあの博打を打つことを決断せざるを得なくなったわけです。

 でも、それは裏を返せば選手を信用しきれていなかったことの表れでもあって、だから西野監督は、試合翌日に選手に謝罪をしたのだと思います。実際、試合後の選手の口からは、あの采配について疑問を感じていたという主旨のコメントも聞かれましたし、それまで一体だったコーチングスタッフと選手の間に溝が生まれたシーンだったと思います。

 ただ、西野監督がすごいのは、監督のプライドを捨てて選手に謝罪をしたことでした。それによって、ベルギー戦に向けてより団結が強まったのだと思います。