2018.07.12

セネガル戦では、本田圭佑の「スッキリ」が
同点以上の価値だった

  • photo by JMPA

中山 立ち上がりはセネガルの方がよかったという印象でした。キックオフ直後から日本が守勢に回り、セネガルの攻撃を受ける側になってしまったのが、日本の反省点だと思います。試合後に乾貴士が言っていましたが、本当は前から積極的に行きたかったと考えていたようです。しかし、相手のスピードやフィジカルに面を食らってしまい、後手に回ってリズムを失ってしまうという、よくない試合の入りになってしまった、ということでした。

 結局、その悪い流れのままあの失点シーンを迎えてしまったので、そこは乾だけでなく、吉田麻也も試合後に反省点として挙げていました。

倉敷 ただ、先制したことでセネガルの攻撃のアクセントは雑になりました。ワントップのニアンにボールを預ければ何かが起こるのではないかと期待したようでしたが、体を張るよりも腕や肘を振り回していたニアンは警告を受け、セネガルはゲームそのものを雑にしてしまったように見えました。

中山 僕も、先制した後のセネガルに変化を感じました。おそらく、初戦で難敵ポーランドにいい試合をして勝ち点3を手にしたセネガルが、グループ最弱と見ていた日本戦の立ち上がりに先制したことで、少なからず油断というか、気の緩みみたいなものが生まれたのではないでしょうか。

倉敷 セネガルにはフィジカルやスピードで日本に勝っているという自信、たとえば、スタートポジションが低くても攻守ともになんとかなるという感触があったのでしょうね。それでも日本は、長谷部誠のシュートが乾に当たる惜しいシーンなど、失点後もよい反発力を見せ、そして34分に追いつきます。左サイドをうまく使った美しいゴールでした。

小澤 そのゴールシーンの前までの内容もよかったと思います。長谷部と柴崎岳が2枚のCBとかかわりながらビルドアップする時、いろいろなバリエーションを見せていました。それを見て、僕はチャンピオンズリーグ決勝のレアル・マドリーを思い出しました。つまり、監督が事細かに戦術を決めて選手にやらせるのではなく、ピッチ上で選手がその局面に応じてアドリブでバリエーションを出すと、事前のスカウティング云々が無意味になってくるからです。

 結局、セネガルは日本のビルドアップをどのように抑えればいいのかわからなくなり、17番のパパ・アリウヌ・ヌディアェが前に出て4-4-2のかたちで対応する以外のプレッシングはありませんでした。

 そういう中で、柴崎からのロングパス1本でそのゴールシーンを迎えたわけですが、柴崎にボールが渡る前、実は香川がビルドアップのところで下りていく動きがあるなど、伏線は見られました。あの時間帯は、日本の選手たちが1点のビハインドになった中でも落ち着いてボールを保持しながら攻めることができていたと思います。