W杯賢者3人が日本対コロンビアを討論。
「西野朗監督は、持っている」

  • photo by JMPA

蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.26

 4年に一度のフットボールの祭典、FIFAワールドカップがロシアで開催されている。この企画では、世界トップの魅力、そして観戦術を目利きたちが語り合います。

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。

 今回のテーマは、ロシアW杯での日本代表の初戦コロンビア戦について。試合の流れ、選手交代、監督采配など、結果を左右することになったポイントはどこにあったのか。ワールドフットボール通のトリデンテ(スペイン語で三又の槍の意)が分析します。

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――今回はワールドカップ特別編として、お三方に日本代表の戦いぶりを改めて検証していただきたいと思います。現地で取材を続けている中山さんとはインターネット回線でつないでいますので、いつものようによろしくお願いします。

倉敷 日本代表が戦った4試合を振り返る前にまず整理しておきたいのが、大会前の代表の評価であり、立ち位置です。中山さん、小澤さんの思うところをそれぞれ話していただけますか?

中山 大会2カ月前にヴァヒド・ハリルホジッチ前監督が解任され、急きょ西野朗監督が就任して本番を迎えたわけですが、個人的にはハリルホジッチ監督の解任はあって然るべき判断だったと今でも思っています。ただ、解任のタイミングがものすごく遅かったことと、その理由が曖昧だったことが大問題でした。

コロンビア戦後、サポーターに挨拶をする西野監督コロンビア戦後、サポーターに挨拶をする西野監督 本来は、成績不振や監督の能力といったサッカー面での評価によって決断が下されるべきなのに、選手とのコミュニケーションといった非常に曖昧な理由で、技術委員長だった西野さんを監督にしてしまった。

 そんな協会の姿勢に対してファンが不信感を持つのは当然です。メディアの多くもそうだと思いますが、協会は本当にこの国のサッカーを良くしようと考えているのかという疑問が生まれましたし、正直、今大会は負けて当然だろうと思っていました。そして大会後、しっかりその部分を追及しなければいけないという気持ちでした。

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