2018.07.09

ベルギーで学んだJ指導者に聞く
「逆転負けしない日本」に必要なもの

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「ベルギーは、2000年にオランダと共催した欧州選手権では1次リーグで敗退し、2004年のポルトガル大会には出場できませんでした。そのときに国をあげて育成をやり直したそうです。

 クラブの色ということでいうと、例えばアンデルレヒトであれば、高い技術をベースに、ボールを大事にした攻撃的なサッカーを標榜しています。アカデミーでは『こういう選手を育てる』という11項目があって、動きながらのファーストタッチであるとか、左右両方の足が使えるといった観点で指導をしていました。だから、ルカクは左利きだけど、右のシュートもノッキングしないで打てるし、メルテンスの技術も発揮されていたと思います。

 他のクラブでいうと、スタンダールなどは、後ろから前にダイレクトに入れて、前線の選手を使うというサッカーでした。そこにサッカー協会が、隣国のオランダの影響を受けたワイドを使ったサッカーであったり、別の隣国であるフランスのよさであったりをミックスして、ベルギー代表のスタイルができあがっています」

――結局、日本はベスト16で敗退しました。育成年代の指導者として、今後は何が必要だと思いますか?

「下馬評からしたら16強はすばらしい結果です。その一方で『もっとできたかな』という面もあったと思います。ひとつ言えるのは、これで今まで通りでいいということになったら、あっという間に崩れるということです。世界のフットボールの流れは本当に速い。昨日良しとされていたことが、明日はそうではなくなる可能性だってある。

 だから、各指導者が、今後のフットボール、そして、そのときに求められるプレーヤー像を熟慮しながら、各クラブや学校で"10年後、どのような選手を育てたいのか"で、競争していく時代がこないといけないと思います。育成年代だって目先の勝負にこだわるのは当然です。でも、大会の優勝や試合での競争だけでは積み上がらない、"その勝利の先にどんなビジョンを持っていますか?"と。