ベルギーで学んだJ指導者に聞く「逆転負けしない日本」に必要なもの (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「アンデルレヒトのスタッフや子供達と接していて、日本人に近いメンタリティだなと思ったことがあります。自信満々で『俺が!』というより、よく言えば謙虚な面を持ち合わせているんです。ノリでやっちゃうということは少ないし、ハッタリもない。

 後半、2-0になって、明らかにベルギーは『これはやばいぞ』という雰囲気になりましたね。2-0のまま、もう少し日本ペースで進んでいたら、違う展開になったかなと思います。もう少しボールを保持しながら時間を進められれば、と」

――日本が2点を奪いながら、最後に逆転された後半はどうご覧になりましたか?

「日本は前半からルカクに対して細心の注意を払い、ドリース・メルテンスやエデン・アザールもケアできていました。ところが後半はアザールがボールを持ち始めてチャンスになり出しました。そしてベルギーは2点目を奪われた13分後に2人を交代させましたが、いいタイミングでこれが機能したのかなと思います。

 日本は高さでは劣っていましたけど、例えば、大迫勇也の縦方向の動きに対しての空間認知能力、ロングフィードに対して先に落下地点を取る動きはすばらしかった。昌子源、吉田麻也もそれで競り勝っていました。そういうのを見ていると、高さのあるなしとは関係なく、空間認知能力、ポジションの取り方が良ければ、日本人でも高さをカバーできるのだなと思いました。

 ただ、横からのクロスになると急に対応が難しくなる。コーナーキックを見ていても、ルカクやマルアン・フェライニにつくとき、横への動きについては対応が難しい。そこがウィークポイントだと思いました。基本的にクロスの守備対応は難しいとされるのですが、そのあたりは高さという差が如実に出ていたかなと思いました。

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