脱ハリルの日本スタイル。過去にW杯で見せたどの試合よりも痛快だった (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


乾貴士のゴールで一時は2-0とリードしたが...乾貴士のゴールで一時は2-0とリードしたが... 強豪相手に善戦した満足感など、当事者たちにはない。西野監督は「結果については残念のひと言」。キャプテンのMF長谷部誠も、「こういう結果に終わって、手応えよりも失望というか、悔しさが上回っている」と話している。初のベスト8進出に、そしてブラジルとの対戦に、もはや指先が触れていただけにもったいない試合ではあった。

 だが、今回の敗戦が過去2回の同じステージでの敗戦に比べて価値が高いのは、日本が至って"普通に"戦い、それでも勝負になっていたからだ。

 日本は引いて守りを固めたわけでもなく、玉砕覚悟でハイプレスに打って出たわけでもない。いつものようにパスをつないで攻め、ボールを失ったら切り替えを速くして奪い返し、奪ったボールは安易にクリアせず、落ち着いてつないで再び攻撃に転じる。その繰り返しを丹念に続けただけだ。

 長谷部は「8年前(の南アフリカ大会)はかなり守備的にやっていた」と言い、こう続ける。

「今回は受け身にならず、守備でも自分たちからアクションを起こしていこうとやっていた。勇気を持ってかなりいけた部分があるので、8年前より手応えがあったし、戦えた」

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