批判集中のGK川島永嗣は「自分も
チームを助けなければいけない」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Fujita Masato

 そのポーランド戦、川島は前半32分、ゴールラインにかかった相手のシュートをギリギリでかき出している。また、この試合ではゲームキャプテンも任されており、先発6人が代わってオートマティズムを失ったフィールドプレーヤーたちに、コーチングの声を送り続けた。

「ピンチになる場面は、ポーランドはカウンターが多かった。自分たちがボールを動かしているときも、ボールを奪われたらどうなるかというのを意識して話してました。ディフェンスラインでマキ(槙野智章)にもマヤ(吉田麻也)にも見えてないところは、声をかけるようにしていました」

 試合に敗れはしたが、この一戦で川島は、「断ち切れないもの」を少しは断ち切れたのではないだろうか。

「自分らしいプレーをしなければ、チームに貢献できないとは思っていましたし、前回の試合でチームメイトに助けてもらったように、自分もチームを助けなければいけない。まあ、自分はひとりで戦っているんじゃないと思えたのは、大きかったと思います」

 大会に入って、フィールドプレーヤーたちは徐々に自信を深めているように見える。そんななかで、不安を引きずっていたGKが自信を取り戻していたら、日本代表はもう一歩、前へ進めるかもしれない。

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