歴史を塗り替える。西野ジャパンが示す「日本人監督が指揮を執るメリット」 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 たとえば、川島はガーナ、スイスとの親善試合、コロンビア戦、セネガル戦と不安定なプレーをのぞかせていたが、指揮官はポーランド戦のスタメンから外さなかった。それどころか、セネガル戦のあとにじっくり話し合う機会を設けると、ポーランド戦に向けた公式会見に出席させ、キャプテンマークまで託すのだ。

 その期待に川島はプレーで応えてみせた。安定した守備でチームを救い、不調を払拭するのである。

 ポーランド戦のあと、「こういう状況で託されたことには、いろんな意味があったと思う。その想いを汲み取らないといけないし、それに応えないといけない」と語った川島は、話し合いについても「気持ち的にすっきりした部分は大きかった。新しい体制になってから、迷惑しかかけていなかったので、そういうことも話ができたのはよかったと思います」とあらためて振り返った。

 日本代表は1998年大会フランス大会で初出場を飾り、2度の決勝トーナメント進出を経験して今がある。

 2010年南アフリカ大会でグループステージを突破し、2014年ブラジル大会で惨敗を喫して今がある。

 今の日本代表は、こうした流れ、歴史の上に成り立っているということを、強く感じさせてくれる。過去を知り、未来にどう結びつけるのか――。歴史を塗り替える準備は整った。ベスト8進出という未知の領域へのチャレンジが、いよいよ始まる。

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