ベンチからの視点。東口と川島「GKのことはGKにしかわからない」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 終了間際、日本は0-1で負けていながらもボールを回して、失点しないこと、イエローカードをもらわないことに徹した。同じ時間に行なわれていたコロンビアとセネガルとの試合で、コロンビアが1-0でリード。そのまま試合が終われば、日本の決勝トーナメント進出が決まるからだ。

 だが、スタンドからは猛烈なブーイングが飛び交った。ベンチにいた東口は、その様子をどう見ていたのだろうか。

「ベンチでは、このまま(0-1)という狙いがあったし、ブーイングされようが次のステージに行くほうが大事。あのブーイングに影響されて、攻めてカウンターを食らってしまうと、次に行くことが難しくなってしまう。

 だから、僕はブーイングされるのはぜんぜん構わないし、仕方がないことと思っていました。自分たちの目標は、この試合に勝つことじゃなくて、次に進むこと。そこはみんな、割り切ってああいう形になったと思います」

 結局、日本はポーランドに敗れたものの、決勝トーナメント進出を決めた。

 2大会ぶりのベスト16である。この結果を、東口はどうとらえているのだろうか。

「もう、上出来だと思います。攻守に安定した戦いができているし、日本らしさも出ていた。これからは、負けたら終わりの戦いになりますが、もっとよくなるんじゃないかなって思っています」

 ノックアウトステージとなる決勝トーナメント。もはやターンオーバーもないだろう。東口が出場することは、一層難しい状況になった。

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