「中間管理職」長谷部誠が語る西野監督像「バランス感覚がいい」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by JMPA

 このときも長谷部はニヤリとした。ハリルジャパンが苦境の最終局面に突入した11月のベルギー遠征の最中だった。ハリル解任に際して、「別に3月の遠征の出来が悪く、急展開で決まったわけではない。いろいろあってのこと。すべてを言えるわけではない」という長谷部の言葉は、決して表面的なものではないと思えたものだ。

 西野体制がスタートし、オーストリアでの合宿中にはこんなことを話している。

「練習の密度も濃くなっており、ミーティングが長くなると頭がいっぱいになってしまう。できるだけ選手の負担を減らしたい」

 主将としてスタッフと事前の打ち合わせなどを行ない、ミーティングの時間短縮をはじめ、効率化に努めていた。

 もちろんそこには、自分に余裕があるということもあるのだろう。3度目のW杯。いいことも悪いことも経験してきたからこそ、ピッチ外でなすべきことが明確になる。

 オーストリア合宿の途中からは、西野監督からの指示も徐々に明確になってきたようで、「ミーティングは30分と決めたら30分で終わる人」と、具体的なエピソードをまじえて監督像を話してくれた。そして本大会のここまでの2戦。勝ちにいく姿勢を明確にした監督を、客観的な言葉で"評価"している。

「明確ですよね。勝ちにいくということは試合前からずっと言っているし、選手交代でのメッセージもあるし。そのなかでも、ただ前がかりになるだけじゃないというところをみんなが感じとれている。そのバランス感覚が、いま非常にいい状態にあるのかなと思います」

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