ブラジルのチッチ監督が日本を評価。「特に気になったのは乾だ」 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 しかし「追い上げているときが危険」ということは、「優位になると危険性が減る」ということだ。チッチもそこが気になったようだ。

「コロンビア戦の日本は、キックオフから勇敢に攻め上がっていたが、セネガル戦では、1点ビハインドになって、初めて自分たちの力を信じるようになったような印象を受けた。また、初戦のコロンビア戦では距離のある位置からもシュートを試み、より勝利に貪欲だった感じがしたが、すでに勝ち点3を手にしていた2戦目では、どこか"負けないように"という試合をしているようだった」

 また、日本の守備には多少の問題を感じたという。

「DFとGKの間で、もっとコミュニケーションが取れるといいね。もう少し注意していたら、セネガル戦の1点目はなかったはずだ。日本のGKは優秀であることを知っていただけに、残念だった」

 しかし、「全体的に日本選手のレベルはとても上がっている」と言う。

「日本の選手たちは日々強くなっている印象を受ける。相手に振り回されず、しっかりと自分たちのサッカーができる。多くの選手たちがヨーロッパでプレーしていることもうなずけるよ」

「特に気になった選手は?」と聞くと「イヌイ」という答えが返ってきた。また、西野朗監督には、「その勇気を讃えたい」と言う。

「W杯直前のあの時期にチームを引き受けるというのは、どの監督にとっても並大抵のことではない。にもかかわらず、日本の監督はいい仕事だけではなく、奇跡も起こそうとしている。短時間のうちに、しっかりやるべきことをした証拠だ。拍手を送りたい」

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