スペインの戦術家が日本にブラボー。「次戦への改善点」も明確に示す (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 昌子源or槙野智章、柴崎岳or山口蛍、大迫勇也or岡崎慎司は迷いどころだったのではないか。

 いずれにせよ、日本のいい部分が出た勝利で、勝因としては何よりも出足がよかったことが挙げられる。

 前半3分、香川真司が裏に出したボールに対して、大迫がダビンソン・サンチェスに走り勝っている。大迫のシュートはGKの正面でブロックされたが、その跳ね返りを香川がシュートし、エリア内に戻ったカルロス・サンチェスのハンドでPKの判定になった。長い抗議の混乱があって、集中を保つのは簡単ではなかったはずだが、キッカーの香川は落ち着いて決めた。

 日本はこれで1人多い形で試合を進めることができた。それも開始5分すぎからだ。特別な状況だったことを明記しておくべきだろう」

 西野ジャパンは先制攻撃に成功したが、その後の前半の戦いに関して、エチャリは厳しい見解を述べている。

「1点をリードしてから、1人多い状況にもかかわらず、日本のプレーは劣化した。攻撃スピードが極端に低下。(慎重になりすぎて)ボールを持ちすぎ、簡単に狙いをつけられている。後ろに下がってボールを受けるだけで、後手を踏むことになった。勢いに乗ったコロンビアにボールを奪われ、鋭いカウンターを受ける。その流れを変えられなかった。各ラインがバラバラで戦線が長くなり、相手にポジション的優位を奪われていたのだ。

 守勢に回ったことで、ラダメル・ファルカオを中心とした攻撃に混乱し、結果として同点弾を奪われている」

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