スペインの名将が、乾&香川に賛辞。「W杯でもサプライズとなりうる」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 松岡健三郎/アフロ●写真 photo by AFLO

「この日、乾は前半からダイアゴナルの動きで、パラグアイ守備陣に脅威を与えていた。スペイン、エイバルで研鑽を積み、連係力が高くなった。後半6分、左サイドでボールを受けると、香川との壁パスで抜け出す。リターンするそぶりを見せながら、香川が開けたスペースに入れ違いで入り、右足で巻くようなショットを決めた。

 香川のパス、走り出すタイミングやアングルも申し分なかった。現時点で、トップ下としては本田圭佑よりもいい状態にあるのではないだろうか。逆転ゴールの場面も、スモールスペースでの香川の天才性がよく出ていた。

 18分、右サイドからバックラインの前を横切るようなパスが来ると、香川は背後にいた乾の存在を感じている。香川は自分に敵を引きつけることで、乾をポジション的優位にした。おかげで乾はアドバンテージを持ってシュートを打てており、質の高いコンビネーションからの逆転弾になった」

 その後、日本はオウンゴールでリードを広げるが、FKからの流れをしのげず、ロングシュートを蹴り込まれて2-3と差を詰められている。89分に香川が4得点目を決め、再び点差を広げたものの、課題が残った。

「1失点目のスローインのときもそうだったが、全体が下がりすぎ、中盤で相手を有利にしてしまった。柴崎の甘いクリアを完全にコントロールされ、フリーの状態で打ち込まれた。戦術的に稚拙な失点だった。数的優位という感覚で枚数を増やすことに必死になるのではなく、常にポジションをバランスよく取ることを心がけるべきだ」

 エチャリはそう警告し、最後にコロンビア戦に向けてメッセージを送る。

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