コロンビア参謀のカンビアッソは「謎だらけジャパン」に何を感じたか (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 すべてはコロンビア戦に向けて、オープンにできる部分と、出したくない部分というのがある。こういう厳しいゲームのなかで、トライしたかったこともあるんですが、それは、これからさらに詰めていきたいと思います」

 このコメントを聞くかぎり、リスタートに関しては何かしらの策を用意しているのは間違いないだろう。ショートコーナーやクイックリスタートだけでなく、より複雑なサインプレーやトリックプレー......。非公開練習中にすでに取り組んでいるものもあるかもしれない。

 では、戦術面、戦略面ではどうか。

 もし、パラグアイにも敗れ、攻撃の形を見出せないままコロンビア戦を迎えることになっていたら、戦い方をガラリと変える可能性もあるのではないか、と推測していた。

 ガーナ戦で採用した3-4-2-1をベースとする5-4-1で、自陣に分厚い守備ブロックを敷いてロングカウンターを狙う、2010年南アフリカ・ワールドカップのカメルーン戦、オランダ戦に倣(なら)ったスタイルで戦うのではないかと。

 というのも、オーストリアのゼーフェルト合宿が始まったばかりのころ、本田圭佑がこんなことを言っていたからだ。

「今言ったふたつのプランA、Bが機能しなかった場合も想定しなきゃいけない。そのワーストケースが南アフリカの守備のやり方なんで。全部ダメになっても、あのやり方はできると思っています。全員守備でいくと。攻撃の議論はナシにしようと。それは最終パターンとしてあると思っている」

 だが、4-2で勝利したパラグアイ戦後の「ひとつのベースはできた」という岡崎慎司の、「内容も結果も出たのは大きい」という長谷部誠の、「もっともっと選手のよさを引き出したい」という西野監督の言葉を聞くかぎり、最終パターンを採用するのではなく、パラグアイ戦での戦い方――コンパクトな守備ブロックを維持し、前からのプレスとミドルゾーンでのプレスを使い分け、ポゼッションとショートカウンターのメリハリをつけ、運動量豊富にアグレッシブに戦う――をコロンビア戦に向けて磨いていくことになるのだろう。

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