2018.06.11

U-21代表も直面した「止める、蹴る」の
レベルという永遠のテーマ

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

 むしろ日本にとって問題だったのは、リスク管理と単調なテンポだ。足元でボールを繋ごうとするあまり、日本はしばしば不用意な形でボールを失った。今大会の日本にとって大きな失点の原因となった自陣深くでのボールロストはもちろん、それは敵陣での仕掛けの場面でも見られた。

 特に右サイドでボールを持ち、中に切り込みながらラストパスを狙う三好がボールをカットされ、奪われたボールを取り返そうと自陣深くまで追いかけるシーンは非常に印象的だった。必死に追いかけた三好は、ボールを失った選手の責任を果たしていたとも言えるが、相手を押し込んだ状態で、ボールを奪われた選手が何十メートルも相手のドリブルを追いかけなければならないというのは、チームのカウンター対策として好ましくない。

 また、ショートパスばかりを繋ごうとする日本の意識は、時に単調なリズムを生む原因となった。チーム全体として裏を狙う意識が弱く、相手にとっては予測しやすかったはずだ。だからこそ、ときおり中山雄太(柏)が繰り出す正確なロングパスは効果的だった。

 細かいパスを繋ぐ相手には、激しいプレスをかけたり、自陣ゴール前を固めたりと、対戦相手も試合中に対策を講じてくる。相手がそう出れば、今度は裏へのロングパスを用いたり、サイドから1対1で仕掛けたりと試合の最中に駆け引きが行なわれるものだ。

 日本のサッカーからは、自分たちのやりたいことをやり通そうとするばかりで、少なくともピッチ上で起きているプレーからは、相手の出方を見て穴を突こうとする意図がほとんど感じられなかった。

 一方で、ボールを保持できず守勢に回ったポルトガル戦では、唯一の攻撃手段となったカウンターが結果的に効果を発揮した。実力で上回る相手との試合では、自分たちのやりたいことはやらせてもらない。だからこそ、相手との駆け引きから穴を見出し、なんとか勝つ可能性を探ろうとする力が求められる。