日本代表に福田正博が叫ぶ。「3バックか4バック、どちらかに絞れ」 (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 それに対して、後半から2シャドーの一角に起用された香川真司は、ポジションを逸脱せずにプレーしていた。選手同士の距離が近く、周りの選手を使いながら自分の長所も出せるシャドーは香川が輝けるポジションといえる。

 ただ、最初の10分間はそれを証明していたが、徐々に存在感が薄れていったところに香川の現状が見て取れる。

 後半の途中で本田が岡崎慎司に代わり、3−5−2になった際にはトップ下に入った。シャドーよりも特長が生かせるはずのトップ下では、もう少し"香川らしさ"を見せてもらいたかった。実戦から3カ月離れていたことでゲーム勘が戻っていないことが原因のひとつだろうから、本番までにそれを取り戻し、輝きを放つ時間が増えることを期待している。

 サイドに関しては、右サイドMFの原口元気が中央にポジションを取るシーンが何度か見られた。本田が左サイドに流れていくため、距離を保つ意図があったのだろう。原口がワイドに開いているからこそ相手DFの守備ブロックを間延びさせることができるのだが、中央に絞ってしまったことで相手の4バックの距離が近いままになってしまった。

 慣れていないポジションとはいえ、原口が再び同じポジションで起用される可能性は十分にある。その際に3−4−2−1のメリットを生かせる動きができるよう、修正していってもらいたい。

 この右サイドMFには酒井宏樹の起用も考えられるが、ガーナ戦ではケガをした足の回復状況を見て無理をさせなかったのだろう。酒井宏樹はクラブでのプレー経験もある3バックの右での起用を考えてもいい。

 その3バックは中央に長谷部誠が入り、右に吉田麻也、左に槙野智章が起用された。長谷部と槙野は3バックでのプレー経験がある一方、クラブで4バックのCBを担う吉田には不慣れな守り方になったため、ストレスを感じていたかもしれない。

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