スペインの名伯楽がガーナ戦に警告。「西野ジャパンの中盤は危険だ」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「長谷部と川島永嗣のコミュニケーションがまずかった。2人の間に分け入ったボアテングにしてやられた。新しい代表監督初めての試合、初めてのシステムということで、連係に難があったことは否めない。

 しかし、それだけではない、チームとしての不具合を感じた。例えば山口は、自陣深くでボールを受けると、単純なミスパスからカウンターを浴び、噛み合っていなかった。ボールをつなぐのは大事だが、自陣で行き詰まったらGKに戻すか、遠くに蹴るか。単純に危険を回避しないと重大事になる。選手の判断にズレがあった。

 その後、日本は再び優勢を取り戻したが、それはガーナが4-4-2にし、ブロックを下げたことが原因だろう。日本も75分からは4-4-2に変更。中盤の厚みを加えたことで、攻撃的アクションはとりやすくなった」

 慧眼(けいがん)と言われるエチャリは、最後に西野監督に対してこうアドバイスを送っている。

「結果そのものはネガティブだった。失点は十分に避けられた。この日は、選手の動きが噛み合っていたとは言えなかった。中に入るタイミングが早すぎたり、ボールを受けに来られていなかったり。そして3バックは、ボアテング1人に翻弄される場面が少なくなかった。

 時間が限られた中、指揮官は、選手が"居心地のよさ"を感じる慣れた戦い方を選択すべきではないか。なにより中盤で強固なブロックを作らないと、簡単にそのラインを越えられ、窮地に陥る。中盤を安定させることによって初めて、日本人の機動力と技術の高さを活かした攻撃的プレーも可能になるはずだ」

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