U-21代表はポルトガルに劇的逆転勝ち。10人でも諦めずに戦う (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Guillaume Ruoppolosa/Icon Sport/ Getty Images

 後半、横内監督代行は菅に代えて遠藤渓太(横浜FM)を右SHに投入し、初瀬を左SHに戻して守備の強度を取り戻す。ポルトガルにチャンスを作られながらも、何とか耐えていた。

 だが後半30分、裏に抜け出したゴメスを止めようと、エリア外に飛び出したGK山口瑠伊(エストレマドゥーラUD/スペイン)の手にボールが当たり、主審は退場を宣告する。このFKをフィリペに直接決められ、日本は残り8分で1点のリードを許すとともに、1人少なくなるという厳しい状況に追い込まれた。

 これで勝利を確信したのか、ポルトガルのプレーに緩さが見え始める。それを見逃さなかったのが途中出場の選手たちだ。後半37分、三苫薫(筑波大)がつないだボールから遠藤がスルーパスを通すと、抜け出した上田綺世(あやせ/法政大)がファーサイドに沈めて同点。さらにロスタイム、ドリブルで持ち上がった三苫のスルーパスに再び抜け出した上田が倒されてPKを獲得。これを上田が自ら決め、劇的な逆転勝利をもぎ取った。

 試合後、横内監督代行は「まず、選手たちが最後まであきらめなかった。GKが退場になって、残り時間が減ってきて、今日この試合で勝たなければならないと、最後、笛が鳴るまで走り続けたというのが一番かなと思います」と、逆転勝利の要因を振り返っている。

 一方、ポルトガルのヘリオ・ソウサ監督は「残念」と落胆しながらも、「試合の結果は、両チームの持つクオリティとは大きく異なるものだ。我々の方がいいプレーをし、試合をコントロールしていた」と、内容では自分たちのほうが上回っていたことをはっきりと口にした。

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