西野ジャパン、見るに堪えない壮行試合に「かすかな光」を探すと... (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹、スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sano Miki,Sueishi Naoyoshi

 西野朗監督は積極的に3-4-2-1の新布陣に取り組んでいるが、その一方で「これからこの形で(ずっとやっていく)、とは考えていない」。キャプテンのMF長谷部誠もまた、「3バックはひとつのオプションの形。4バックがベースとしてある」と言う。あくまでも相手次第でさまざまな対応をするなかでの、オプションのひとつだと強調する。

 にもかかわらず、指揮官は「ガーナのシステム(4-3-3)と選手個人の特長を戦術的に消すことを考えれば、(日本が採るべき布陣は)3バックではなかったかもしれない」とし、ミスマッチを覚悟のうえで3バックを採用したことを明かしている。

 主戦システムに考えているわけでもない3-4-2-1を、しかも、オプションとして行使するにもふさわしいとは思えない状況で、無理に採用する意味は何だったのか。

 西野監督の「いろんな状況に対応していきたいというなかで、(3バックにも)トライしたかった」という言葉は、わからないではない。DF吉田麻也も「新しいことにチャレンジしている。理想は持って試合に臨むが、理想どおりに試合が進むことはない。4年前の(ワールドカップでの)コートジボワール戦は理想どおりに進まず、そのままズルズルいってしまった」と話し、対応力を上げることの必要性を口にする。

 だが、本番直前の今、ベースが確立されているのかどうかすら怪しいうえに、オプションがオプションとしての体(てい)をなしていないのでは、どっちつかずの状況に陥っている感は否めない。

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