福田正博が「今からでも勝つ可能性のある西野ジャパン23人」を選出 (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 西野監督は、1996年のアトランタ五輪やJリーグでガンバ大阪などを指揮してきた実績があり、選手の資質を見極める能力に長け、さまざまな戦術の引き出しを持っている。その根っこにあるのは「攻撃的なスタイル」だ。

 高く評価する選手の特徴は、ガンバ大阪時代に重用していた明神智和(現・長野パルセイロ)のような、クレバーでボール捌(さば)きがうまく運動量が豊富な選手。就任会見時の「日本的にやりたい」という目標を具現化するには、ボールをしっかり捌けて、組織的にプレーする選手が必要なため、そうした選手が代表メンバーに名を連ねることが予想される。

 ただし、西野監督のサッカー観をすべて反映するチームを作っていく時間はない。柔軟ではあるが、アトランタ五輪のブラジル戦のように、時には勝利のためにリアリストにもなる監督なだけに、ハリルホジッチ前監督や、それ以前の日本サッカーが築いてきたものを生かしていくだろう。

 日本サッカーの特長である組織力を高めることが不可欠だが、そのためには、同じメンバーで練習や試合をする時間を増やすしかない。その時間がない現状では、ザッケローニ監督時代のメンバーを軸にすることを視野に入れてもいいのではないか。

 ブラジルW杯で結果こそ出なかったが、そこに至る過程は悪くなかったし、何より組織立った日本人のよさを生かすスタイルで戦っていた。その4年前のメンバーが日本代表に残っていることをふまえ、私なりに現時点で理想と思える23人を考えてみた。

福田正博が選んだ23人のメンバー design by Unno Satoru福田正博が選んだ23人のメンバー design by Unno Satoru 基本のフォーメーションは4−4−2、または4-2-3-1。選手同士の距離感を保ちやすく、攻撃も守備も組織的な役割をはっきりできるメリットもある。

 まず、正GKは川島永嗣で、控えに中村航輔と東口順昭。CBは吉田麻也と森重真人で、昌子源を控えにし、SBは右に酒井宏樹、左に槙野智章。長友佑都と酒井高徳をバックアップメンバーにしたい。

 守備の安定を考えた場合、ザッケローニ監督時代に多くの試合でスタメンを担ったGK川島、CB吉田と森重という組合せが最良だ。長友に代えて槙野をスタメンに入れるのは、日本代表に足りない高さやフィジカルを少しでも補うため。槙野には強さがあるため、攻守でセットプレーのキーマンになることも期待しての配置だ。

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