なでしこ、華麗なサッカーで中国を粉砕。
優勝かけ豪州とガチンコ勝負

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 どう機能するか出たとこ勝負なところもあった。もちろん、すべてがスムーズに運んだわけではないが、完全に馴染まずとも、ひとつの形を作り上げる力があるということは示してみせた。

「まだまだ理想とする形には、攻守ともにすべてにおいて足りない」と厳しく評する高倉麻子監督だが、2年を経てようやく理想とする形の大枠が見えてきた。

 大会を通じてチームは成長する。なかなか歩みの遅かったなでしこたちも、この大会で粘り強さが前面に見えるようになり、メンバーを代えてもチームが崩れないベースアップを確認できた。

 力を注いできた攻撃へのこだわりも捨てていない。意識の統一が体現され、守備が格段に向上し、攻撃にも同様の好影響をもたらした。高倉監督の目指す、より一層自由な発想が生まれてくるチームに近づいているはずだ。

 決勝は、グループステージで日本が勝利のチャンスを手放さざるを得なかったオーストラリアとの再戦となる。あの試合から日本はさらに成長を遂げている。

 獲るべきW杯の出場権を獲得し、進むべき決勝にも進んだ。しがらみを解いて、自分たちが表現したいものを、とことん試してみればいい。最高の舞台で、最高の相手とすべては整った。今こそ、なでしこジャパンの力を証明してみようではないか。

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