2018.04.10

ハリル解任会見での違和感。
なぜ「目指すサッカー」は語られないのか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by JFA/AFLO

 実際、会見で目指すサッカーについて問われた田嶋会長は。まず「コレクティブな......」と、明確ではない言葉を吐き、別の質問者がさらに念を押すと、「パスを繋ぐサッカー」と、あまり語りたくなさそうなトーンで答えた。

 大事なのはここなのだ。時計の針を2010年以前に戻してはいけないのだ。コンセプトを代表監督任せにすれば、ダメな日本に逆戻りする。もし会社なら倒産必至。組織のあるべき姿ではない。

 これはハリル解任に際し、議論すべき点でもある。ハリルホジッチのサッカーは何がダメで、日本サッカーは何を目指すべきなのか。

 その昔、よく議論されたテーマに、日本が目指すべきサッカーは南米式か、欧州式か、があった。いま振り返れば笑い出したくなるような低レベルの二択だが、2002年日韓共催W杯ぐらいまでは、それについて日本人は真顔で語り合っていた。

 コミュニケーションや摩擦は副次的なものにすぎない。他の世界にもありがちな、俗っぽい人間関係が問題の本質ではない。ハリルホジッチに抱く違和感の正体は、サッカーそのものだ。いますべきはサッカーの話。会長、技術委員長、代表監督がまず語るべき点もサッカーだ。ここが固まらない限り、過ちは繰り返される。日本サッカーは暗黒時代へと逆戻りする。

 今回の解任劇で、田嶋会長はハリルホジッチについて、サッカーの話で語り通せなかった。そこに日本の弱点を見た気がする。

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◆ハリル腹心の視察当日に電撃解任。岡崎慎司、代表復帰はどうなるのか>>

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