名伯楽エチャリ氏が「マリ戦の日本」に
まさかの評価。えっ、なんで?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

 昌子が大迫勇也を狙った縦パスはGKにクリアされたが、まず敵を慌てさせている。宇賀神、大迫、久保裕也という連係からも鋭くゴールに迫った。長友佑都が裏を取られ、決定的なパスをシュートまで持ち込まれるシーンはあったものの、中村が好セーブを見せるなど、マリの攻撃を受けながらも優勢に試合を進めていた。

 マリは"平凡"の域を出ないチームだろう。しかし、タフでスピードに優れ、高いインテンシティでプレーできる選手たちを揃えていた。そしてトップに入ったアブドゥライ・ディアビのようにテクニックに優れ、軽快なドリブルでゴールまで持ち込める選手も擁しており、侮れない。

 4-1-4-1で中盤に人を集め、日本の攻撃を断ち切り、跳ね返していた。例えばスレイマン・ディアラは森岡の流動性を奪い、ボールを持たせても、決定的パスを封じ込んでいた」

 エチャリは日本とマリの戦力を比較しながら、冷静に分析を続けた。

「日本はわずかに連係が合わなかったが、可能性は感じさせた。例えば長友は、攻め上がって、深く入るまでの判断はとてもよかったが、パスのタイミングや角度が少しずれていた。急造チームとして悪くはなかった。

 しかし、前半の途中から、ひとつひとつのプレーが遅くなってしまう。4-2-3-1というバランスを重視したシステムを選択していたが、不必要なショートパスが入って、マリのスピードのあるプレスに捕まる場面が出てくる。日本は受け身に回ってしまった。

 そして前半42分、日本はマリにPKを与えている。エリア内で宇賀神のキックが相手の脚に当たってしまった。不必要なPKだったと言わざるを得ない。

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