「南米の強豪国を相手に1勝2敗」の森保ジャパンをどう評価すべきか (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

「相手に引かれた場合、ミドルシュートが一番だと思うんですけど、そう簡単に打たせてくれなかった。となるとクロスをもっと入れたり、自分が下がってドリブルしたり、ワンツーで崩す形を増やしていきたかった」

 2試合目の出場となった17歳の中村は、そう悔やんだ。

 パラグアイは決して内容がよかったわけではない。それでも彼らは守り切り、勝利を手繰り寄せた。一方、日本は多くの時間帯で主導権を握っていたが、流れを失った10分ほどの時間で2点を失い、勝利を逃した。

「技術的な部分でいえば、日本は十分やれる。ただ、南米の選手たちはうまいというより、強かった。勝負強さを含めて、結果を出すために、勝利するために、いろんな部分での強さを身につけないといけない」と森保監督は分析した。その勝負強さ、駆け引きの部分こそ、指揮官が南米勢との3連戦で学びたかったものに他ならない。

 今遠征で感じられたのは、チーム内における温度差だ。すでにサバイバルに向けて危機感を持っている選手、まずはチームに慣れる必要のある選手、南米勢を相手に真剣勝負を挑んでいる選手、練習試合のように淡々とプレーしている選手、遠慮している選手などが混在しているように感じられた。

 もっと悔しがって、もっと必死にアピールに努めていい。

 今回の南米遠征に参加できたことは、大きなアドバンテージになるはずだ。果たして、どれだけの選手がこの貴重な経験を今後に生かすことができるだろうか。

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