「南米の強豪国を相手に1勝2敗」の森保ジャパンをどう評価すべきか (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 4-2-3-1のパラグアイは守備時にサイドハーフを落として5バックに変更し、日本に対抗してきた。その最後の壁を、日本はこじ開けられなかった。

 バイタルエリアまではボールを運べても、その先には侵入できない。ミドルシュートは見られず、1トップ2シャドー間の連係も少ない。左シャドーの三笘はドリブラーだけに、どうしてもスペースを求めてサイドに寄りがちで、中央でセンターフォワードの上田が孤立することが多かった。

 もっとも、今大会は中1日で試合が組まれているため、トレーニングの時間が取れず、前線の連係を磨く時間がなかった。「攻撃のアタッキングサード、ペナルエティエリアあたりでのクオリティは上げていかないといけない」と森保監督が振り返ったように、これは今後のテーマになるだろう。

 こうした流れで迎えた31分、相手コーナーキックの流れから菅がペナルティエリアのなかでファウルを犯し、PKから失点。さらに36分には、強烈なミドルシュートを叩き込まれて2点目を失った。その1分前の35分にもFKからゴールを脅(おびや)かされ、42分にもゴールに迫られている。前半のうちに相手の流れを断つことができなかった。

 後半は、4分にパラグアイに退場者が出て数的優位となった。日本は3バックの中央の中山をボランチに上げ、12月のタイ遠征以来となる4-4-2へと変更。サイドからクロスを入れたり、コンビネーションで中央突破を図ったりして揺さぶりをかけていく。だが、ゴール前を固めるパラグアイの守備陣を攻略できない。

 それでも79分、前半途中からアピアタウィアに代わって入っていたDF椎橋慧也(しいはし・けいや/ベガルタ仙台)のスルーパスから三好が右足で決めて1点を返すと、FW中村敬斗(ガンバ大阪)、MF松本泰志(サンフレッチェ広島)を投入し、勝負をかける。だが、FW前田大然(だいぜん/松本山雅)のシュートは枠を外れ、三好のボレーはGKの正面を突き、あと1点が届かなかった。

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