もったいない森保ジャパン。2点先制→10分間で3失点が起きた要因 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

「自分のところに入ったら落ち着かせたいと思っていた。自分は合わせられるタイプなので周りに合わせるし、そうしたなかで前半は自分のよさもしっかり出せたと思います」

 そう振り返ったのは針谷だ。30分ごろには流れるようにボールが回っていた。

 もっともそこは、ベストメンバーではないとはいえ試合巧者のベネズエラである。4−4−2の中盤をフラットからボックス型に変え、日本のボランチとシャドーへのマークを強めてきた。前半のうちに日本の戦い方を見極めたようにうかがえた。

 そしてアディショナルタイム、前田のバックパスが相手に渡りクロスを入れられると、ゴール前で椎橋が相手にシュートを許し、1点を返されてしまう。

「失い方は悪かったんですけど、僕が粘り強く守れなかった。ボールが空中にあるときに相手は見えていたので、トラップしたときにもっと距離を詰めればよかった」

 先制ゴールの殊勲者は、そう悔やむしかなかった。前半の終了間際という警戒すべき時間帯での失点。ハーフタイムに立て直しを図らなければならなかったが、すぐさま同じ過ちが繰り返された。今度は後半の立ち上がりに、立て続けに失点を許すのだ。

 ベネズエラはハーフタイムに5人を入れ替えた。そのなかには、FWロナルド・チャコンやMFロナルド・ルセーナといったU-20ワールドカップ出場メンバーがいた。48分にコーナーキックのこぼれ球を蹴り込まれると、55分にはクロスがゴール前のチャコンに渡る。立田が立ち塞がったが対応を誤り、強烈なシュートを叩き込まれてしまう。

 前半の終了間際に失点してから、わずか10分間で3失点......。

「16番(ルセーナ)が入ってきて、自分のところとか間を消すようになって、なおかつボランチにもプレスをかけてきて、ペースを持っていかれて2発やられてしまった」

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