指揮官を直撃。森保ジャパンはパラグアイ遠征で何を試すつもりなのか (5ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 一方、日本の選手たちは、ポテンシャルはあるけれど、公式戦に約2年間絡めていない選手が多くて、その差が出たと感じました。だから、大会が終わったときに選手たちに言ったんです。所属クラブでポジションを獲得して試合に出続けることが成長につながるし、クラブの財産、代表の戦力アップにもなるんだよって。

―― 今季に入って立田選手をはじめ、板倉滉選手(ベガルタ仙台)、三好康児選手(北海道コンサドーレ札幌)、遠藤渓太選手(横浜F・マリノス)、市丸瑞希選手(ガンバ大阪)......と、スタメン出場している選手が増えたのは大きいですね。

森保 今回、招集していない選手のなかにも、スタメンで出ている選手、途中出場だけど出場機会を増やしている選手がいます。この年代はひとつのきっかけで、どんどん伸びますから、本当に楽しみですね。

―― ウズベキスタン戦で感じられたのが、選手たちがボールを失うことを恐れているんじゃないか、ということ。ボールを失わないのが一番ですが、失うことを恐れない、あるいは失っても取り返せばいい、というくらいの気持ちが必要なのではないかと感じたのですが。

森保 どうでしょうね。もしかしたら3失点目くらいからは、多少あったかもしれないですけど、2失点目、覚えていますか? 僕はあれ、すごくよかったな、と思っているんです。

―― ゴールキックからのリスタートをショートパスでつないで、最後は立田選手が奪われて決められた場面ですよね。「すごくよかった」と言いますと?

森保 GKの小島亨介(早稲田大)がリスタートする時点で、完全に固められていましたよね。それでもつなごうとしたから、『これでもやるのか』と思いながら見ていたんです。しかも、3分前に失点したばかり。ビビって、ノーリスクで大きく蹴る、というメンタルになるのかなと思ったら、つなごうとした。結果、失敗して痛い目を見ましたけど、『やれる』と思ってやったなら、たいしたものだなって。

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る