指揮官を直撃。森保ジャパンはパラグアイ遠征で何を試すつもりなのか (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

―― 個の成長の部分では?

森保 1対1の局面において、3チームともすごく駆け引きをしてくると思います。我々が攻めているときは、時間もスペースも与えてくれないでしょうし、守っているときは、フィジカル的な強さやスピードで勝負を仕掛けてくる。それに対してどう対応するのか。遠征を通して確認したいし、レベルアップしてほしい部分ですね。

―― 1対1の勝負や駆け引きを経験するという点では、この南米の3チームは、うってつけの相手ですね。

森保 本当にそうで、すばらしいチームと戦えると思っています。ベネズエラは昨年のU-20ワールドカップで敗れた相手。あの大会に参加していた選手は、『今度はやってやろう』と思っているはずです。日程はかなりタフで、選手は大変だとは思いますけど、いい経験になるので、どんどんトライしてほしいと思います。

―― 今、うかがったパラグアイ遠征のテーマと重なる部分もあると思いますが、あらためて、U-23アジア選手権、特に0−4と敗れた準々決勝のウズベキスタン戦における収穫と課題を、どう分析されていますか?

森保 負けてよし、ということはなくて、悔しい想いはありますけど、すごくいい経験ができたなと思います。このチームは2020年の東京オリンピックでメダルを獲得することを目標にしています。ウズベキスタン代表は2015年のU-20ワールドカップでベスト8に進出したメンバーが中心のチームでした。そのレベルの相手を2年後に打ち破って、ようやくメダルに手が届くわけです。

―― そういう意味では、ひとつの指標となるゲームでしたね。

森保 そうなんです。今後のチーム作りにおいて、いい目標設定、いい指標ができたと思います。今回は悔しい想いをさせられましたけど、2年後、必ず彼らを上回ってやるという想いでいますし、選手たちはそれだけのポテンシャルを秘めている。内容に関しても、試合の入りは悪くなかった。ただ、もうひとつ突破できればビッグチャンスになるというところまで運びながら、そこを越えられませんでした。

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