長谷部誠に次ぐのは誰か。ハリルJの守備的MF「最終選考」を考える (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Hiroki Watanabe/Getty Images

 守備的MFの選考には、以下の点がポイントになる。各々バランスが求められ、複数に適応できれば、優位であることは間違いない。

(1)4-2-3-1の「2」が適役な選手
(2)4-3-3のアンカーが適役な選手
(3)4-3-3のインサイドハーフもできそうな選手

 長谷部は、(1)と(2)のタイプだ。

 一方、4-2-3-1時代に長谷部とコンビを組むことが最も多かった山口蛍(セレッソ大阪)は、(1)に限られる。4-3-3のアンカー、バルサ的に言うところの4番のポジションを任せるには中心選手としての気質に欠ける。

 Jリーグ第2節、C大阪が3-3で引き分けたホームのコンサドーレ札幌戦(3月2日)でもそうだった。山口は、試合の状況が2-0から2-1になると、積極的にボールを受けにいかなくなった。

 チームの苦境を自らの力で跳ね返そうとする、精神的な逞しさが見られなかった。長谷部の後釜は山口で決まり! とは言いにくいプレー内容だった。

 井手口が登場する以前は、今野泰幸(ガンバ大阪)が長谷部の代役をこなした。W杯アジア最終予選vsUAE(アウェー)では、とりわけその真価を発揮。ゴールまで奪う活躍で日本を救った。

 今野は、(1)(2)(3)ともにプレー可能なユーティリティ選手。センターバックでのプレー経験も豊富だ。代表監督にとってこれほど使いやすい選手も珍しい。

 とはいえ、現在35歳。長谷部と今野を同時に選ぶことは、チームの構成上難しい。さらに、今野は現在ケガで戦線離脱中だ。選出される可能性は低いと言わざるを得ない。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る