強豪デンマークに快勝。乱高下する「なでしこ」は強いのか、弱いのか (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text by Hayakusa Noriko

 昨年7月のブラジル、オーストラリア、アメリカとの3連戦ではフィジカルの差を見せつけられた。そこで相手のリーチの長さに対抗すべく、ドリブルの幅を広くすることを心がけた。それにより「去年に比べてボールを簡単に取られなくなった」。こうした努力が今、実を結ぼうとしている。

 そしてもうひとり、ゴールへの想いを募らせていたのが岩渕だった。

「とりあえず、ゴールが奪えてよかった......」

 ダメ押しのPKを決め、開口一番に安堵の言葉を漏らした。チャンスを量産していながら、得点に結びつけられていなかった責任を感じていた。経験値から見ても、岩渕はこの状況を打破しなければならない立場にある。

 人数をかけた厚みのある攻撃もできれば、数少ないタッチでゴール前に運ぶ攻撃も出てきた。あとはゴールのみ。「気持ちは持っているんですけど。最後の丁寧さなのかな。速く丁寧に(シュートを)打つ、パスを出すっていうのをやれるようにしなきゃいけない」と岩渕は悔しさを滲ませる。

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