強豪デンマークに快勝。乱高下する「なでしこ」は強いのか、弱いのか (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text by Hayakusa Noriko

 28分には岩渕真奈(INAC神戸)からのマイナスパスを受けると、ドリブルでペナルティエリア付近まで一気に突き進んだ。「チャンスがあればペナ付近での崩しにも関わりたい」と描いていたイメージを実行してみせた形だ。

 本人曰くこの試合で、「あまり納得できるプレーはない......」とのことだが、カウンターに持ち込まれることはありながらも、ポジショニングを見失うことはなかった。市瀬がいることで、阪口が前線へ上がれた効果もあり、なでしこのボランチ一発目にしては十分な存在感を示した。

 59分に市瀬に代わってボランチに入ったのが、宇津木瑠美(シアトル・レイン)だ。

 ここからまたガラリと中盤の色が変化した。1対1に強い守備力と推進力を兼ね備えた宇津木は、中距離、長距離の縦パスを入れながら好機を生み出していく。交代直後からすぐ仕事ができる宇津木の入り方も完璧だったが、試合中にこれだけ中盤を一変させ、それぞれの色が出る展開になったことがなかっただけに、見応えのある市瀬と宇津木のコントラストだった。

 課題として残ったのは、やはり攻撃だ。後半、4-2-3-1としてトップに横山久美(フランクフルト)、右に岩渕、真ん中に長谷川唯(日テレ・ベレーザ)、左に中島依美(INAC神戸)と、現状もっともゴールを狙える布陣で勝負に出る。

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