本田圭佑、香川真司を押しのけて、
ロシアW杯に行ける攻撃的MFは誰だ

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Zhizhao Wu/Getty Images

 多機能性という点で倉田と双璧なのが、元G大阪の阿部浩之(川崎フロンターレ)だ。昨年末の東アジアE-1選手権で代表初招集。交代出場ながら、3試合すべてに出場した。多機能型選手の生かされ方を見た気がしたが、Jの開幕戦(vsジュビロ磐田/2月25日)では、スタメン落ち。交代出場さえかなわなかった。

 阿部同様、東アジアE-1選手権で初めて代表入りした土居聖真(鹿島アントラーズ)も、開幕戦(vs清水エスパルス/2月25日)では、スタメン出場を逃した。

 鹿島はJクラブの中で最も選手層の厚いチーム。スタメンを巡る争いはどのチームより激しい。土居は交代出場を果たし、ケレン味のない代表レベルの動きを見せたが、所属クラブでのスタメン出場はやはり代表選手に課せられた最低条件だ。その数を増やさない限り、有力候補にはなれない。

 状況がそれ以上に悪いのは、清武弘嗣(セレッソ大阪)だろう。シーズン前のトレーニングで故障。近い将来の代表復帰は難しいという。

 昨年末の東アジアE-1選手権も、ケガで棒に振り、昨年の春もケガで長期離脱を余儀なくされている。前回ブラジル大会にも出場した実力者ながら、暗雲が立ちこめた状態にある。

 FC東京の高萩洋次郎は、開幕戦の浦和レッズ戦(2月24日)でスタメン出場を果たし、アシストも決めた。結果は残したが、プレーの内容はよくなかった。FC東京の39.9%というボール支配率は、ミスが多発した結果に他ならないが、これは高萩の問題というより、FC東京の問題と言うべきだろう。

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