6失点って、マジか? なでしこジャパンの守備崩壊を食い止めるには (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 ポジション柄、その失点に絡みまくってしまったのが若手CBの市瀬と三宅史織(INAC神戸)だ。もちろん、彼女たちだけの責任ではない。どちらかといえば、彼女たちが対峙するときは、すでにお手上げの状況にまで追い込まれていた。

 もともと"個"で勝てないのは承知の上。だからこそ、日本に必要なのは連係なのだ。それがあってこそ、CBが対応するときには既にスピードが抑えられ、シュートコースが絞られて、相手の焦りを誘うことができる。そうして守っていかなければならないのが日本。連係なしでは到底かなう相手ではなかった。

「ビビッたら負け。フィジカル一発でやられるのだけは避けたい」と前日の練習で話していた三宅。随所で体を投げ出す捨て身のクリアも見せるなど、けっしてビビることはなかったが、フィジカル一発は避けられなかった。

「あれだけ点を決められちゃうと後ろの責任です。(自分としては)インターセプトはなかったし、裏しかケアしてないのにやられてしまう。クサビにいけないCBは通用しない......」(三宅)

 ショックは計り知れない。その中で痛感したことがある。

「やっぱり自分には絶対的に"経験"が足りない。ユース年代で世界と戦ったといっても、どれだけA代表で戦っているかが、本当の経験値。こんなにボコボコにされたことはなかったので......。怖さを知りましたけど、ここで終われないとも思っています」(三宅)

 同世代の市瀬は三宅よりも約1年なでしこ入りが早い分、代表キャップも今回で7を数える。三宅と声を掛け合いながら、最終ラインを形成していこうと話し合っていた。相手の速さもパワーもイメージを固めて臨んだ一戦だった。

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