森保ジャパン初陣はパレスチナに辛勝。監督がやりたいことは山ほどある (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Imaginechina/AFLO

 この試合で日本が採用したフォーメーションは3-4-2-1。森保監督が率いていたときのサンフレッチェ広島と同じだが、仮にJ1を3度制した当時の広島のサッカーを理想形とするなら、深さと幅を作ってダイナミックにボールが動かすという点において、比べるべくもないほどの差があった。

 しかし、今はまだ、試合内容にケチをつける段階ではないだろう。

 現在は、森保監督の目指すサッカーがいかなるものか。そして、それを実現するには何が必要なのかを、選手たちに浸透させていく段階にある。

 まずは、21歳以下の可能性のある選手を多く集め、チームの大枠を作る。そこから試合をこなすなかで選手を絞り込み、チームを固めて、最終的に東京五輪へ臨む。そんな長期間に及ぶ作業の、ごくごく初期段階に過ぎないのだ。

 昨年のU-20W杯にも出場し、"東京五輪世代"をけん引するひとりであるFW岩崎悠人(京都サンガ)は、「ボールを受ける準備のところを、(森保監督は)すごくコーチングしてくれる。そこは僕の足りない部分なので、毎日勉強になる」と言い、こう続ける。

「森保監督がやりたいことは、まだ山ほどあるんじゃないかと思う。(森保監督がやりたいことのうち、今やっているのは)ホンマに少し。これからやりたいことのベースが(ボールを受ける前の)準備という部分になると思うので、そこは大事じゃないかと思う」

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