森保ジャパン初陣はパレスチナに辛勝。監督がやりたいことは山ほどある (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Imaginechina/AFLO

 とはいえ、1月のこの時期、選手のコンディションが十分でないのは当たり前のこと。森保監督も「これまでの練習でコンディションを上げてきたが、長期のオフ明けで、(キャンプ中に一度)45分の練習試合をやったくらい。後半はフィジカル的に相手が上がり、我々は下がった」と分析する。

 当然、後半に運動量が落ちることも織り込み済みで、「もっと落ちるかと思っていた」と森保監督。だからこそ、指揮官はこう語り、選手たちを称える。

「1月2日からキャンプをして、この大会に臨んだ。決してコンディションがよかったわけではないが、厳しい戦いのなかで、私が要求するコンセプトに(沿って)ベストなトライをしてくれた。無失点で終わり、粘り強く最後まで走って勝利したことはよかった」

 もちろん、内容的に言えば、気になった点はいくつもある。

 中央から攻めるときは、ワンタッチのパスワークで強引な中央突破を試み、サイドから攻めるときは、ただシンプルにクロスを入れるだけ。工夫のない単調な攻撃では、前半こそチャンスを作れたが、次第にボールが前へ進まなくなった。

 ボールが前へ進まない。だから、中盤が引いて受けようとする。しかし、それはむしろパレスチナの圧力を呼び込む結果となり、後半の劣勢を招くことになった。DF板倉滉(川崎フロンターレ→ベガルタ仙台)がドリブルで敵陣に進入して決めたゴールにしても、チームとして狙って作り出した形というよりも、偶発的なスペースの発生によるものだろう。

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