日テレ・ベレーザ優勝。ノジマステラの「らしさ」を潰した阪口夢穂 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「ミナ(田中)をすごく警戒していたから、2列目から飛び出した方がいいなと思って狙ってた」という阪口は、24分、再び岩清水が入れたロングボールにしっかりと合わせて追加点を奪う。これもフワリと浮かせてGK田尻有美の頭上を抜くゴール。得意のパス主導のコンビネーションだけでなく、相手の状況を見極め、的確な判断で攻撃を組み立ててゴールを奪う。ベレーザの柔軟性が生んだ2得点だった。

 このままでは終われないノジマは後半にようやく"らしさ"を感じさせるプレーに切り替わる。51分のCKのチャンスを皮切りに、ミッシェル・パオ、吉見夏稀、南野亜里沙、高木らが次々とシュートを放つ。当たりそこないでも、とにかくゴールへ向かう姿勢は、後半だけでも7本ものシュートにつながり、ベレーザの5本を上回る数字となった。

 ひとつのゴールさえ生まれれば、試合の流れを変えられそうなノジマの攻撃を防いだのは、ベレーザの守備陣だった。今大会のベレーザの守備は、準決勝で浦和レッズレディースに喫した1失点のみという堅守を通している。左サイドバックの有吉佐織とセンターバックの清水梨紗はケガ明け。不安要素がないわけではなかった。もちろん、まとめ上げるのは経験豊富な岩清水だが、的確な判断、指示で支える有吉が復帰したことで、今シーズンからコンバートされた清水、右サイドに入る宮川麻都らの強気に奪いにいく守備をしっかりとカバーできていた。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る