福田正博が日韓戦後に覚えた違和感。ハリルと協会に温度差はないか (3ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 今の若いサッカーファンは、日韓戦に特別な思いはないかもしれないし、ましてやハリルホジッチ監督にそれを理解してもらうことは容易ではない。しかし、「韓国代表に勝ちたい」という強い気持ちがあったからこそ、日本サッカーがここまで成長できたことは紛れもない事実だ。

 そんな日韓戦の裏側にある心情的な部分をハリルホジッチ監督に説明せずに、「理解してほしい」「察してほしい」というのは無理がある。こうした心情面での"温度差"は、日本サッカー協会とハリルホジッチ監督が、ロシアW杯に向けて一枚岩になっていないことを証明してしまっているともいえる。あらためて、W杯本番までの準備について双方の意見をすり合わせる必要があるだろう。

 日本サッカーを、技術的な面と心情的な面の両方から理解する難しさは、外国人監督を招聘する際につきまとう問題でもある。また、育成年代で築いてきたスタイルを、A代表だけが踏襲せずに独自のサッカーを構築しようとすることも解決すべき課題だ。ロシアW杯以降も日本代表が高みへと登っていくために、"日本人に最適なサッカー"とは何かをあらためて考え、4年ごとにW杯の結果だけを見て監督を代えるという方法を含めて見直してもらいたいと思う。

 E-1サッカー選手権は、あらゆる面で苦しい戦いを強いられた2017年の日本代表を象徴するような大会になってしまった。今回の結果にハリルホジッチ監督と日本代表選手が奮起し、来年6月にスカッと胸のすく試合を見せてくれることを期待している。

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