ハリルよ、わかるか?「戦術は自らの優位を生かすためにある」の意味

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 E-1選手権。日本は最終戦で韓国に1-4と惨敗し、優勝を逃している。

韓国戦に負けた後は韓国の強さを力説していたハリルホジッチ韓国戦に負けた後は韓国の強さを力説していたハリルホジッチ「初めて集まって、初めてプレーした選手ばかりで......」と、ヴァイッド・ハリルホジッチが大会を通じて語っていたように、急造チームが息の合ったプレーをする難しさはある。しかし、参加国はどこもそれぞれハンデを背負っており、言い訳にはならない。北朝鮮は調整試合をしたが、相手はフィリピン、マレーシア。中国はリーグ終了後1カ月半も経過している。そして日本はホーム開催だった。

 戦術的にはとにかく蹴り込むだけ。頑迷で一本調子な戦い方でボールを失った。例えば開幕の北朝鮮戦は象徴的だろう。

「ハーフタイムに『真ん中のビルドアップで引っかけられると、カウンターのチャンスを与える。それよりはとにかく裏を狙え』と言った」

 ハリルホジッチはそう指示を与えているが、日本はむしろ後半になってペースを握られていた。実力差のある相手に、怯えたようにボールを蹴り込む必要があったのか。中村航輔のファインセーブと井手口陽介の一発で勝っただけの試合で、指揮官の采配の妙は見えなかった。

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