困ったときに呼ばれる今野泰幸。ロシアW杯に34歳の居場所はあるか (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 困ったときの便利屋――。今野にはどことなく、そんなイメージがつきまとう。評価されているのか、されていないのか。本人も半信半疑の想いを抱いているかもしれない。実績十分のベテランに対する扱いとしてはあまりに失礼なものではあるが、招集されれば常に安定したプレーを示すのだから、監督とすれば今野ほど使い勝手がいい選手はいないだろう。

 ある意味でモチベーションを保(たも)ちづらい状況のなか、本人は代表に対してどのような想いを抱いているのだろうか。今大会を終えてみて、今野はこう話した。

「やっぱり、代表という場所はそんなに甘くないなと感じられました。韓国にホームで負けてはいけないと思っていたんですが、そこで負けてしまったのは残念。下を向きかねないけど、やっぱり、上を向かないといけないし、もっと成長しないといけないと感じさせられました」

 便利屋的な扱いにも不平を漏らすのではなく、与えられた仕事を確実にこなすことにすべてをかける。結果を出せなければ深く反省し、さらなる成長を目指して自己を磨き続ける。この"職人気質"こそが、今野が長くトップレベルを保ち続けられる最大の要因だろう。

 日本の中盤に君臨し続ける長谷部の状態が万全でないなか、半年後、今野の存在がふたたびクローズアップされることになるかもしれない。

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