「ハリルに言われた以上」の働きぶり。
小林悠、ロシア行き当確か?

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 攻撃の起点となり、ファーストディフェンダーとしての役割も担うなど、小林は1トップとしての仕事を十分にこなしていた。足りなかったのはゴールだけ。前半に放った3本のシュートはいずれも枠をとらえられず、後半の決定機でもうまくインパクトできなかった。起点となることに手応えを感じながらも、肝心のゴールだけが遠い状況に小林は、「今日は僕の日ではないかなと思っていた」という。

 しかし、献身性を示し続けた男には、最後に最高の瞬間が待っていた。FW川又堅碁(ジュビロ磐田)がピッチに入り、この時点では右サイドにポジションを移していたが、「なるべく中でプレーすることを意識していましたし、堅碁が身体を張ってくれるので、その周りでプレーするイメージでやりました」と、ゴール近くのポジションを保ち、得点チャンスをうかがう。そして84分、川又がつないだボールを粘り強くゴールに流し込み、待望の先制ゴールを奪ってみせた。

 小林にとって、これが代表初ゴール。2014年10月のデビュー戦から3年、ようやく小林にスポットライトが当たった瞬間だった。

「サイドでも真ん中でもプレーできるので、かなり高い確率で候補に入ると思う。以前は少し(プレーが)軽かったが、今はかなりアグレッシブに戦えるようになった。フィジカルコンタクトも強くなって、相手にしっかり抵抗できた。これを続けてくれれば、よりよい準備ができると思う」

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