「ハリルに言われた以上」の働きぶり。
小林悠、ロシア行き当確か?

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 しかし、杉本が離脱するなどセンターフォワードの人材難だった今回、川崎Fでその立場を担う小林が抜擢された。そして求められたのはポストプレーではなく、背後を狙う動き。おそらくハリルホジッチ監督は、そういう算段で小林を1トップに置いたはずだ。

 ところが後半の小林は、ポストプレーヤーとして十分な役割を示した。身長は180cmに満たないポストプレーヤーとしては小柄なタイプだが、フィジカルの強さと驚異の跳躍力を生かし、強靭な中国DF相手にも互角以上に渡り合った。

 実際に小林も、このポストプレーに手応えを掴んでいた。

「今日は自分でもうまく収められたと思うし、五分のボールもマイボールにできていた。競り合いとか、つぶれるところでは、ほとんど相手に勝てていたと思う」

 この小林のプレーには、ハリルホジッチ監督も称賛を惜しまなかった。

「アグレッシブに背後に入り、しっかりボールを落としてから、また背後に行ける。常にボールをもらえるような状態になっていた」

 また指揮官は、「守備に戻ってプレッシャーもかけられる」と、小林の守備面での献身性も高く評価していた。

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