もう「ハリル型」の監督はゴメンだ。前半27分で一変した中国戦に思う (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 メディアから戦犯と叩かれた。ハリルホジッチはさすがにもう少し優しい心の持ち主だろうと思っていたところ、その4試合後には彼を招集すらしなくなった。ハリルホジッチに潰された選手。以降、それが大島の肩書きになっていた。

 この中国戦の出場は1年3カ月ぶりだった。ハリルホジッチはいったいどれほどの期待感で、大島をピッチに送り出したのだろうか。そしてこの前半27分までのサッカーを、どう分析しているのだろうか。

 大島は、ケガの痛みで立ち上がれず、担架に担がれて退場した。重症だと見る。ハリルホジッチとの相性の悪さについて、同情せずにはいられない。大島がこれで一切のチャンスを失ったとすれば、日本にとっても痛い話だ。ハリルホジッチ色50%止まりの27分間は、幻に終わることになる。

 日本サッカーのあるべき姿を論じるには、絶好のタイミングだと思う。北朝鮮と中国。そして次戦の相手韓国も、どちらかといえばこの2国に近いサッカーをする。大島タイプの選手は存在しない。かつて日本に技巧派の中盤選手がひしめいていた頃、韓国の記者から「韓国には絶対に現れないタイプだ」と、羨ましがられたものだ。剛の韓国に対し、柔で対抗する日本に、彼らは一目も二目も置いていた。

 ハリルホジッチの後任に、ハリルホジッチタイプだけは選んでほしくない。中国戦の前半27分以降のサッカーが、日本のあるべき姿にはとても見えないのである。

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