辛口なハリルも絶賛。「Jリーグ選抜」代表でGK中村航輔が好セーブ (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 早草紀子●撮影 photo by Hayakusa Noriko

 本来はベースのメンバーの中に組み込まれてこそ評価は下されるべきであり、その意味で、"別のチーム"で戦うこの大会で既存の序列を覆すことは無謀なミッションとさえ思える。それは、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の振る舞いを見てもうかがえるものだ。「多くのことは期待していない」。普段よりもおとなしくベンチに座っていた指揮官の姿からは、そんな感情さえ透けて見えた。

 ただし、急造チームのなかで唯一、アピールできるポジションがある。それはGKだ。フィールドプレーヤーに比べれば連係に影響される要素は少なく、自身のパフォーマンスが如実に結果に反映されるポジションだからだ。

 言い方を変えれば、評価のわかりやすいポジション。だからこそ、ミスをすれば批判にさらされるし、いいプレーをすれば称賛を浴びる。そしてこの日、日本のゴールマウスに立ったGK中村航輔(柏レイソル)は見事にそのアピールのチャンスをモノにした。

 序盤こそ攻撃を浴びる機会がほとんどなく、暇を持て余すかのような状況だった中村だが、25分に至近距離からのシュートをストップし、勢いに乗った。直後には角度のない位置からのシュートをはじき、こぼれ球を押し込まれるも素早く体勢を立て直して、確実にキャッチする。

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