東京五輪代表に残るのは誰か。森保ジャパンのサバイバルが始まった (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 前半は攻撃を急ぎ過ぎるあまり、強引にドリブルを仕掛けてボールを失うシーンが頻発したが、後半になるとボランチの神谷とMF松本泰志(サンフレッチェ広島)を中心に攻撃の緩急が生まれ、中央からとサイドからのバランスも改善された。

 両ウイングバックが攻撃の際にウイング然と高い位置を取るのも、広島時代にお馴染みの光景。とりわけ、左ウイングバックのMF菅大輝(コンサドーレ札幌)は左足から好クロスを何本も放った。

 勝ち越されたあとには、3バックの左に入っていたDF麻田将吾(京都サンガ)を下げてFW上田綺世(うえだ・あやせ/法政大)を投入し、4−4−2へと破綻なく移行した。

 指揮官は「選手にも新しい戦術にトライすることに柔軟性を持ってほしい。そして対応力を持ってほしいと話している」と語ったが、この「柔軟性」や「対応力」はハリルジャパンや手倉森ジャパンと共通するキーワード。このあたりに、技術委員会の推奨する代表チームの方向性がうかがえる。

 準備期間は短かった。そのなかで成果もあった。さらに言えば、日本が20歳以下の代表チームであるのに対し、タイは22歳以下の代表チームで、2歳の差があった。エクスキューズはいくらでもあった。

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