ハリルは北朝鮮の監督に向いている。日本と相性の悪いサッカー観が露呈 (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「バックラインの背後を突くサッカーには連動が不可欠。しかし、残る2試合も選手を入れ替えながら戦っていきたいと思うので、連動性の部分は高めることができないと思っています」とは、ハリルホジッチが会見で最後に述べた言葉だ。確かにその通りだと思うが、ならば、何を基準に選手の善し悪しを見極めようとしているのか。

「ハリルホジッチと日本サッカーの相性の悪さ、ここに極まった」印象だ。代表チームの戦術はクラブサッカーからの借り物。代表サッカーはその国の国内リーグの最大公約数的なサッカーであるべき。欧州ではそういう言い方がよくされる。代表チームには、特別なサッカーをするだけの時間的な余裕が与えられていないからだ。

 日本代表も例外ではない。海外組が代表の練習に参加するのは、せいぜい試合前の3、4日間だ。ハリルホジッチが監督をするならば、時間が十分与えられているクラブの方が適している。代表チームなら、縦への速さを売りにするポーランドとか、この日対戦した北朝鮮がいい。

 北朝鮮のサッカーは、まさにハリルホジッチ的だった。彼が好むサッカーを展開しながら、決定的なチャンスを多く掴んだ。そのサッカーは北朝鮮人選手のプレースタイルおよび気質にマッチしているように見えた。自然でスムーズ。本来の力がシンプルに発揮されやすいサッカーである。

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