ハリルは北朝鮮の監督に向いている。日本と相性の悪いサッカー観が露呈 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 強いか弱いか。代表チームを語るとき、それもひとつの物差しになるが、面白いか否かも目を光らせなければならないポイントだ。もし面白くなければ、かつてのドイツのような、それを補ってあまりある強さが不可欠になる。魅力的でもなく、強くもない。これではファンの足は遠のく。ハリルジャパンの不入りには必然性を感じる。

 ハリルホジッチが追究する縦に速いサッカーこそ、面白く見えない原因だ。それは言い換えれば、パスが繋がりにくいサッカーである。

 試合後のハリルホジッチは、「日本のサッカーは横パスが多すぎる」と述べ、さらに続けた。

「今野、井手口には、前線にもっと速いボールを送ることを要求しましたが、一方で、前線の選手はディフェンスラインの背後でもらわずに、引いて受けようとした。そうしたプレーにJリーグのFWは慣れていないのです。プレースピードが足りなければ、決定機を作ることは難しい。選手たちは、Jリーグの各クラブでやっているようなプレーをしてしまいました」

 苦戦の原因はつまり、縦に速いサッカーができなかったことだと述べたわけが、だからといって、パスワークに優れたサッカーができたわけでもない。

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