ハリルJ「初召集の24歳」に注目。
パンチ力ある右ウィングがいた!

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 柏レイソルの右ウィング(右サイドハーフ)、伊東純也は、もう少し早い段階で呼ばれていなければならなかった選手だ。ハリルホジッチには、海外組というブランドに勝る貴重な存在には見えなかったのだろうか。

 そのプレーは少々粗い。洗練されているとは言い難いが、他の選手にはない魅力の持ち主であることもまた確かなのだ。右利きながら目の前の左サイドバックを縦に抜いて出る圧倒的な力がある。フィーゴのような抜群のフェイントがあるわけではないが、一瞬で前に飛び出すキレと速さ、そして馬力、キックのパンチ力も備えている。久保、浅野以上に、だ。

 これまでの日本人にはなかったタイプ。ハリルホジッチもその貴重さをようやく認識したのか、遅まきながら今回、初めて彼を招集した。問題は呼んでどれほど使うかだ。

 経験を必要とするタイプである。縦の勝負には、絶えず失敗もつきまとう。最初から機能する可能性は低い。失敗にどこまで目をつぶれるか。貴重なスペシャリストであるという認識の度合いと、それは密接に関係している。日本の攻撃力は、右を強化しなければアップしない。筆者の強く思うところだが、ハリルホジッチの頭の中はどうなのか。

 E-1東アジア選手権。注目したい選手は数多く存在するが、伊東純也は少し別格だ。根本的な問題を一気に解決してくれる、救世主になるかもしれない魅力を秘めている。   

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