ハリルJ「初召集の24歳」に注目。パンチ力ある右ウィングがいた! (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 右利きの選手にとって難易度が高いのは、左ではなく右だ。右利きの右ウィングが相手の左サイドバックを縦に抜いて出るためには、特殊かつ高度なテクニックが必要になる。右利きの左ウィングが相手の右サイドバックを縦に抜くプレーより、遙かに難易度が高い。原口、乾が右に回っても、左サイド並みの活躍は期待できないのだ。

 右利きの右ウィングは、世界的に見ても貴重だ。バロンドール級の名選手となれば、ルイス・フィーゴほぼ1人に限られる。そのドリブルテクニックが芸術品に値したことは、引退して時間が経てば経つほど鮮明になるのだった。右サイドハーフのデヴィッド・ベッカムは、ドリブル下手ながら、キックに一日の長があったからこそ一流で通った特殊な例になる。

 ルーカス・バスケス(レアル・マドリード)、ジェラール・デウロフェウ(バルセロナ)、クリスティアン・プリシッチ(ドルトムント)など、あるレベルに達した右利きの右ウィングを、最近になってようやくポツリポツリと見かけるようになったが、世界を見渡しても、数人程度だ。日本代表の右ウィングが久保、浅野に落ち着くことも、そういう意味では特段、驚くべきことではないのである。

 だが、右利きの右ウィングの発見を諦めてはいけない。もちろんそれなりのレベルに達している必要があるが、Jリーグで目を引く活躍をしているとなれば、即、代表に呼び寄せなくてはならない。

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